2020年度 雇用関係助成金<キャリアアップ助成金(正社員化コース)>

キャリアアップ助成金は、いわゆる非正規雇用労働者を企業内でキャリアアップさせたり、処遇改善させたりする事業主を助成する制度です。

非正規雇用労働とは、有期雇用労働者、短時間労働者(パートタイマー等)、派遣労働者等のことを言います。

┃キャリアアップ助成金(正社員化コース)の概要

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の対象となるのは、次のような取り組みを実施した場合です。

①有期雇用労働者→正規雇用労働者への転換
いわゆる契約社員から正社員への転換を実施した場合等がこのケースに該当します。

②有期雇用労働者→無期雇用労働者への転換
「無期雇用労働者」は、あまり馴染みがないかもしれませんが、有期雇用パートタイマーから無期雇用パートタイマーへの転換等がこのケースに該当します。

③無期雇用労働者→正規雇用労働者
無期雇用のパートタイマーから正社員へ転換したような場合がこのケースに該当します。

ここでいう正規雇用労働者とは、勤務地限定正社員や職務限定正社員、短時間正社員等の限定正社員も含まれます。

ただし、就業規則に限定社員に関する制度が規定されている必要があります。

その他、派遣社員を正社員や限定社員として直接、雇入れた場合にもキャリアアップ助成金の対象になります。

┃キャリアアップ助成金(正社員化コース)の主な要件

【対象となる労働者】
○有期雇用労働者として雇用されている期間が3年以内
「有期雇用労働者→正規雇用労働者」のケースで助成金を申請しようとする場合、有期雇用労働者として雇用されていた期間が3年以内である必要があります。

○有期雇用労働者(非正規雇用労働者)として採用された者であること
有期雇用労働者(非正規雇用労働者)を採用するための求人に応募をし、その求人の内容に基づいて採用されている必要があります。

助成金申請のために「雇用契約書上だけ有期雇用労働者として雇い入れる」のは、不正受給になります。

行政機関は、「求人票の内容確認」や「労働者への聞き取り」等による調査を行い、不正とみなされれば、助成金の返還や事業主名の公表、刑事告発の対象となります。

○事業主や役員の親族でないこと
正規雇用労働者等へ転換された者が直接雇用を行った適用事業所の事業 主または 取締役の3親等以内の 親族である場合は対象外となります。

【対象となる事業主】
○就業規則を整備し、制度について規定されていること
非正規雇用労働者を正規雇用労働者等へ転換する制度について、就業規則に明記している必要があります。

就業規則がない事業主は、助成金の対象外です。

○対象となる労働者を継続雇用していること
非正規雇用労働者として最低6箇月雇用されていた者を正規雇用労働者等へ転換し、6箇月間雇用している必要があります。

○「転換前6箇月」と「転換後6箇月」を比較して賃金が上昇していること
月単位や時間給単位ではなく、「転換前6箇月の総額」と「転換後6箇月の総額」を比較して、賃金が5%以上増額されている必要があります。

賃金の5%以上増額とは、基本的には、基本給や諸手当を言います。

諸手当の中でも固定残業代や通勤費等、実費弁償的な意味合いをもつものは、除かれます。

また、キャリアアップ助成金のパンフレットでは一部、賞与も増額の中に含むことができると記載されていますが実務的には難しく、賞与は含めずに5%増額する方が良いでしょう。

┃キャリアアップ助成金(正社員化コース)の助成金額

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の助成金額は、以下の通りです。
※助成金額は中小企業のものです(大企業は金額が異なります)
※<>カッコ内は、生産性要件を満たした場合の金額です

①有期雇用労働者→正規雇用労働者への転換
→57万円<72万円>

②有期雇用労働者→無期雇用労働者への転換
→285,000円<36万円>

③無期雇用労働者→正規雇用労働者
→285,000円<36万円>

その他、母子家庭の母 等または父子家庭の父を 転換等した場合や35歳未満の者を転換等した場合、限定社員制度を新たに規定して転換した場合等に加算があります。

その他、詳しい要件は、厚生労働省が公表している資料も必ずご覧ください。

*厚生労働省
キャリアアップ助成金