年金には加入しません! そんな従業員への対処法とは?

社会保険適用事業所で従業員を雇用する場合、その従業員を社会保険に加入させる義務があります。

正社員だけでなく、パート・アルバイト従業員も一定の条件を満たせば同様です。

社会保険は「健康保険」と「厚生年金保険」の2種類に大きく分けられます。

ところが時々、「健康保険は必要だけど、年金はいらないから加入しません!」と訴える従業員がいるようです。

┃健康保険と厚生年金保険 セット加入が義務

健康保険は、病気やケガをして病院にかかるときに受けられる保険給付です。

例えば病院の窓口で健康保険の「保険証」を提示すると、医療費の負担が全額の3割までになりますよね。

もう一つが厚生年金保険です。

年金と聞くと、まず老齢年金を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

そのせいか、年金制度への不信感を持っている従業員に「厚生年金保険には入りたくありません」と言われてしまうケースがあります。

しかしながら、どちらか片方だけという加入方法は認められません。

両方セットで加入する義務があります。

(70歳以上の従業員については例外あり)

┃年金は老齢年金以外だけじゃない

老齢年金以外にも、年金保険は「もしも」という時の備えを用意しています。

・障害年金
病気やケガが悪化して障害に至ったとき、法令で定めた障害等級に応じて年金が支給されます。

厚生年金に加入せず、国民年金に加入していた人が請求できるのは「障害基礎年金」だけです。

しかし厚生年金に加入していた場合は、「障害厚生年金」をさらに上乗せして請求できる可能性があります。

・遺族年金
年金保険の被保険者が亡くなったときは、その被保険者に生計を維持されていた遺族へ年金が支給されます。

厚生年金に加入していない場合は「遺族基礎年金」しか受け取ることができませんが、加入していた場合は「遺族厚生年金」を併せて受けられる可能性があります。

給付を受けられる遺族の範囲も、遺族厚生年金の方がずっと広くなります。

┃年金のメリットを理解し、従業員に説明できるように

年金は高齢者だけが恩恵を受けるもの、と誤解している人は残念ながら少なくありません。

実際は不測の事態に備えて、今現在の生活を守るための働きもしています。

厚生年金に加入することで、その生活保障はより手厚いものとなります。

従業員にそのメリットを説明できるように、年金制度への理解を深めていきましょう。

(担当:近藤彩)