2020(令和2)年度 社会保険の定時決定・算定基礎届

社会保険(健康保険・厚生年金保険)の保険料は、毎月支払われる報酬とそれに基づいて決定される標準報酬月額によって決まります。

昇給や降給により、社会保険被保険者の実際の報酬と標準報酬月額との間に大きな差が生じないように確認をすることを定時決定といいます。

定時決定は、毎年1回行われ、全被保険者の4~6月に支払われた3か月の報酬月額を届け出て、標準報酬月額を決定します。

この時に提出する届出書を「算定基礎届」といいます。

┃定時決定・算定基礎届の対象者

原則として、7月1日現在の社会保険被保険者全員です。
休職者、長期欠勤者、海外出張者についても、社会保険の被保険者資格があれば対象になります。

〇社会保険被保険者でも算定基礎届の提出が不要な人
 ・その年の6月1日以降に被保険者となった人。
 ・その年の7月、8月、9月に随時改定が行われる人(予定されている人)。
   →随時改定の要件に該当しなくなった場合は、速やかに「算定基礎届」を提出します。

┃標準報酬月額の決定方法

4月、5月、6月に支払われた給与額(手当、通勤費等含む)の合計を、その月数で割って算出します。

○正社員の場合
・3か月とも支払基礎日数が17日以上ある場合
   →3か月の報酬月額の平均額をもとに決定。
・3か月のうち1か月でも支払基礎日数が17日以上ある場合
   →17日以上の月の報酬月額の平均額をもとに決定。
・3か月とも支払基礎日数が17日未満の場合
   →従前の標準報酬月額で決定。

○パートタイマー等の短時間就労者の場合
・3か月とも支払基礎日数が17日以上ある場合
   →3か月の報酬月額の平均額をもとに決定。
・3か月のうち支払基礎日数が1か月でも17日以上ある場合
   →17日以上の月の報酬月額の平均額をもとに決定。
・3か月とも支払基礎日数が17日未満の場合
   →3か月のうち支払基礎日数が15日以上17日以上の月をもとに決定。

なお、4月から6月のいずれの月も報酬の支払いの基礎なった日数が15日未満の場合には、引き続き従前の標準報酬月額を元に社会保険料が計算されます。

短時間就労者とは:
パートタイマー、アルバイト、契約社員、準社員、嘱託社員等の名称を問わず、正規社員より短時間の労働条件で勤務する人。

短時間労働者とは:
一般社員の所定労働時間および所定労働日数が4分の3未満で、下記の5要件を全て満たす人。
① 週の所定労働時間が20時間以上
② 雇用期間が1年以上見込まれる
③ 賃金の月額が8.8万円以上
④ 学生でない
⑤ 厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の適用事業所、または、任意特定適用事業所に勤めている

┃通常の方法で定時決定を行うのが適切ではない場合

通常の算定方法で算定出来ない場合や、通常の算定方法で算定すると、実態とかけはなれる場合には修正して算定します。

例えば、
「3か月とも支払基礎日数が17日未満」「3か月とも病欠等で無休もしくは低額の休職給」
  →従前の標準報酬月額で算定。

「3か月のいずれかの月に低額の休職給」
  →休職給があった月分を除いた平均額で算定。以上のような場合の他にも

原則通りの定時決定を行うことが適切ではない場合には、保険者決定として例外的な方法を用いることができる場合があります。

┃産前産後休業・育児休業・介護休業中の算定基礎届

産前産後休業・育児休業・介護休業中は、報酬の支払いがなくても「被保険者資格」は継続されます。

休業中でも算定基礎届は提出し、備考欄にその旨を記載します。

標準報酬月額は、休業直前の標準報酬月額を適用します。

┃算定基礎届の準備

手続きもれ等を防ぐためにも、日頃より情報の整理が大切です。

「労働者名簿」、「資格取得、資格喪失届の提出」、「賃金台帳などの整理」など、定時改定の前に確認しておきましょう。

*日本年金機構
・定時決定
・保険者決定

(担当:徳山千恵子)

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