懲戒処分・懲戒解雇決定までのプロセス

従業員を雇用する中で稀に採用選考をかいくぐり、問題社員と言われる人が入社してしまうことがあります。

懲戒処分・懲戒解雇は、しっかりと会社のために貢献してくれている従業員を問題社員から守るための仕組みだと考えています。

一方で、特に懲戒解雇となると会社側から従業員に対して一方的に仕事と収入を奪う行為のため、慎重な判断と適切なプロセスが重要になります。

┃懲戒処分を実施する場合の大前提

懲戒処分を実施するためには、次の2つが最重要事項となります。

①懲戒処分の種類と懲戒事由が就業規則で明確になっていること。
②懲戒処分決定までのプロセス、判断基準が明確になっていること。

以上の2つが就業規則で明確になっていたとしても就業規則の内容に逸脱したプロセスで行われた懲戒処分は、無効となる可能性があります。

┃懲戒処分実施のプロセス

懲戒処分を実施するときは、次のようなプロセスで判断します。

①被害者や内部通報者がいる場合は、被害者や内部通報者の申告内容を聞く。
②文書や証拠物など客観的証拠を集める。
③当事者以外で事情を知る者の話を聴く。
④懲戒事由が就業規則の第何条に該当するかを判断し、処分対象事実を把握する。
⑤懲戒処分対象者から事情(弁明)を聴く。
⑥処分内容を決定する。

ただし、就業規則に上記と異なるプロセスが明記されている場合には、就業規則に沿った対応が必要です。

懲戒処分を実施するとき、または、その前段として注意・指導をする場合には、後々のことを考えて文書で行う等、形に残すことが重要です。

┃処分内容の公表

懲戒処分の内容については、必ずしも社内公表する必要はありません。

社内公表することで必要以上に処分対象者を追い詰めてしまうことにもなりかねません。

また、セクシュアルハラスメント事案等では、当事者(被害者)が公表を望まない場合もあるので、慎重な判断が必要です。

仮に社内公表をする場合には、氏名の公表はせずに事実と処分内容の公表だけに留め、掲示等をする場合には、1週間以内程度にしておくべきかと考えます。

いずれにしても当事者(加害者)に反省を促す姿勢を第一に考える