コロナ対策の雇用調整助成金等の不正受給で逮捕者

2020年の春以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で事業の継続が困難な事業主を支援するために様々な施策が講じられてきました。

その中の一つとして、従業員を休業した場合に支払う休業手当等の費用を一部助成する雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金について、不正受給による逮捕者が出ています。

┃最近の不正受給事案

コロナ対策雇用助成金詐取か 大阪府警が容疑の男ら逮捕

雇用調整助成金と、アルバイト従業員らを対象とした緊急雇用安定助成金を申請し、計約3500万円をだまし取った疑い。

実際には従業員ではない人を従業員と偽り申請。

国の雇用調整助成金詐欺疑い 姫路の男逮捕

容疑者の男が代表を務める会社が従業員19人に休業手当を支払ったとする虚偽の書類を尼崎公共職業安定所など2カ所に提出し、助成金計約5417万円を詐取した疑い。

社労士が雇用調整金を不正受給 事業主に無断で申請

栃木市の社会保険労務士が事業所に雇用調整助成金36万2589円を不正受給させたほか、緊急雇用安定助成金4万2120円を不正に申請した。

労働局によると、社会保険労務士は、事業主に無断でタイムカード、賃金台帳を偽造。事業所は休業していないにもかかわらず2020年12月~21年1月、従業員2人を休業させたことにして、雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金の支給を申請し、事業主に不正に受給させた。

雇用調整助成金に限らず、雇用関係助成金の不正受給は少なくありません。

特に雇用調整助成金については、経営状態の悪化等が原因で不正受給に手を染めてしまうケースは多いです。

以前、リーマンショック後も不正受給が多く行われ、数年間かけて摘発が行われたようです。

┃助成金の不正受給とペナルティ

○助成金の返還指示等

助成金の不正受給をした場合のペナルティは、
・不支給、または、支給決定の取り消し
・助成金の返還(助成金の返還時には、延滞金と返還額の20%が上乗せ)
以上のような処分が行われます。

また、その後5年間は、助成金の支給が行われません。

さらに、助成金の不正受給にかかわっていた者が別の法人等で役員等になっている場合には、その別の法人等でも同様に5年間、助成金の支給を受けることができません。

○事業主名等の公表

助成金の不正受給を行った場合で特に重大、または、悪質な事案に関しては、厚生労働省ホームページ等で事業主名等が公表されます。

不正を行った事業主として公表されるため、顧客や金融機関等との取り引きに影響を及ぼす恐れがあります。

自社が不正受給をしているかもしれない・・・
知り合いの会社が不正受給をしているようだ・・・

という相談は、都道府県労働局やハローワーク(公共職業安定所)までお願いします。

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