新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者が発生した場合の対応

弊社のお客さまからのお話を聞いていると昨年2020年中よりも新型コロナウイルス感染症が身近なものになってきているようにも感じます。

実際に社内にも感染者あるいは、濃厚接触者となる人が出てきているケースも増えています。

今回は、感染が確定した場合、濃厚接触者となった場合、未確定の待機期間の3つのケースに分けて事業主の対応を検討していきます。

┃対応が迫られる3つのケース

新型コロナウイルス感染症に対して、事業主として対応が迫られるのは、感染が確定した場合、濃厚接触者となった場合、未確定の待機期間の3つのケースです。

○感染確定

一番対応がしやすいのはこのケースです。感染が確定していれば行政機関や地方自治体の指示に従うしかありません。

感染が確定し、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、休業手当を支払う必要はありません。

*Q&A(企業向け)4-2

○濃厚接触者

濃厚接触者とは、新型コロナウイルスに感染者と近距離で接触、あるいは長時間接触し、感染の可能性が相対的に高くなっている方を指します。

最近では、濃厚接触者の判定はとても狭くなっているようです。行政機関でも濃厚接触者判定を可能な限りしたくないようにも感じます。

同じ職場、同じフロア、同じ場所で仕事をしていても「換気をしていた」「マスクをしていた」ということであれば濃厚接触者にはならないようです。

濃厚接触者と判断された場合には、保健所の指示に従い原則として14日間の自宅待機となります。

事業主としては「濃厚接触者と判定された=自宅待機=休業手当は不要」とはならいので注意が必要です。

濃厚接触者と判定されたとしても本人が労働可能な状態であれば在宅勤務などの可能性を検討する必要があります。

そのような検討をした上で、在宅勤務でできる業務がない場合には休業手当は支給しないという判断もやむを得ないでしょう。

*Q&A(一般向け)3-3

○感染未確定・待機期間

一番判断が難しいのがこのケースです。感染が疑われたり、濃厚接触者と判定される可能性があったりする場合の待機期間です。

労働者本人には症状がなく働くことができる状態で、事業主の判断で念のため休ませる(自宅待機)場合には、休業手当の支払い義務が発生します。

*Q&A(企業向け)4-3

┃新型コロナウイルス感染症に伴う事業主の対応

事業主としては「休業させるor休業させない」「賃金を支払うor賃金を支払わない」という判断を迫られることになります。

○賃金を支払うor賃金を支払わない

「休業させるのはかまわないが賃金の支払いをどうしたらいいのか」というのが迷いどころでしょう。

基本的には「行政機関・地方自治体・保健所などの指示がなくて休業させる場合には休業手当の支払い義務が発生する」と考えられます。

これは、行政機関等の指示を待っている待機期間中も同様です。

現状では、濃厚接触者の判定もほとんど行われないため感染が確定したとき以外で休業させる場合には休業手当の支払い義務が発生すると考えられます。

┃新型コロナウイルス感染症に伴う行政の支援など

新型コロナウイルス感染症に伴う各種支援として以下のようなものがまとめられていますが、直接的に活用可能なものとしては次のようなものが挙げられます。

※内閣官房:「 新型コロナウイルス感染症対策 」より

○傷病手当金

労働者本人が感染し、都道府県知事からの要請により休業している場合に申請が可能です。
この場合、休業手当の支払い義務はありません。

○雇用調整助成金/緊急雇用安定助成金

新型コロナウイルス感染症の影響を受け売上減少などの要件を満たし、事業所を休業したり時短営業をしたりする場合に申請が可能です。

この場合、休業手当の支払い義務が発生します。

○両立支援助成金

新型コロナウイルス感染症の影響で小学校等が休校になり労働者自身が子供の世話をしないといけない場合や自宅で介護が必要になったときなどに申請が可能です。

この場合、休業手当の支払い義務は発生しませんが、年次有給休暇とは別に特別休暇を設ける必要があります。

事業主としては判断が難しいことも多くありますが、行政機関から出されている資料や専門家とも相談をしながら対応を検討していく必要があります。

*厚生労働省
新型コロナウイルス感染症に関するQ&A

*内閣官房
新型コロナウイルス感染症対策