マスク着用拒否で懲戒処分はできるか

新型コロナウイルス感染症の影響もあり日常的にマスクを着用することが普通になっています。

また、秋から冬にかけてインフルエンザが流行する季節でもあり、感染拡大防止のためにもマスク着用を義務付けたいと考える事業主も少なくありません。

しかし、一部の従業員からはマスクの着用を拒否するような申し出もあり社内での対応に頭を悩ませるケースも増えています。

┃マスク着用、発熱時の報告を義務付けられるか

事業主が業務命令としてマスク着用、発熱時の報告を義務付けられるか、そして義務に違反した場合に懲戒処分ができるかについては慎重な判断が必要です。

社員が守るべきルールを守らず、懲戒する場合、「合理的で社会通念上相当」であることが求められます。

そのようなルールを設けたい場合には、まずは従業員との話し合いの上で就業規則を改定することが必要です。

就業規則に「マスク着用義務」「発熱時の報告義務」を明記した上で、説得等の手段を尽くしたうえで最終手段として懲戒処分を行うと考えるのが良いと思われます。

┃プライバシーへの配慮と報告体制の整備

従業員自身が発熱した場合や家族等同居人が感染者となった場合は、従業員自身も濃厚接触者として自宅待機等しなければならないときもあります。

同居人が発熱等の体調不良となった際にその旨会社に申告させることには一定の合理性があると考えられます。

ただし、プライバシーに関する機微な情報であることから、申告させるに当たっては、相談窓口を設置するなどルール作りには注意が必要です。

┃さいごに

懲戒処分ありきでルール作りを進めてしまうと従業員からの反発があったり、会社への不信感を募らせたりすることになってしまいます。

いまや、誰でも感染する可能性があるものになっているので感染した人も感染していない人も社内も社外の人も健康被害から守る、というような姿勢が求められると考えます。