育児休業(産前産後休業)中の従業員がいる場合の賞与の取り扱いについてご質問がありましたのでお答えします。
育児休業中の従業員についても賞与を支給するべきか
賞与を支給するかどうかは、基本的には事業主の自由です。
しかし、評価期間に在籍しているにもかかわらず、賞与支給日に休業していることを理由に賞与をまったく支給しないことは、法令違反に該当すると考えられます。
*男女雇用機会均等法第3項
社会保険の取り扱い
育児休業(産前産後休業)中は、社会保険料(健康保険、厚生年金保険)が事業主分、従業員分ともに免除されます。
免除期間中に賞与が支払われた場合には、賞与にかかる社会保険料も免除されます。
ただし、賞与を支給した際の「賞与支払い届」には、免除された従業員の賞与の記載も忘れないようにします。
雇用保険の取り扱い
雇用保険の育児休業給付金を受給している期間中に賞与が支払われたとしても育児休業給付金の金額には影響しません。
育児休業給付金支給申請書の裏面には以下のように記述があります。
—–
(5)13欄、17欄及び21欄には、各々10欄、14欄及び18欄に記載した支給単位期間中に支払われた賃金(臨時の賃金、3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金を除く。)の額を記載してください。
—–
育児休業給付金の支給申請を行う際には「賃金の額」を申請します。
育児休業中に労働し、賃金を受け取る場合には、その金額によって育児休業給付金の調整が行われることがあります。
しかし、「臨時の賃金、3ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金」は、記載対象外なので、育児休業給付金の支給金額には影響しないことになります。
まとめ
賞与を支給するかどうかは事業主の任意です。
しかし、「賞与の評価期間」に在籍していたにもかかわらず「賞与がまったく支給されない」ということは、「不利益取り扱い」に該当する場合があるので注意が必要です。
また、会社への信頼感の低下や不満、復職後のモチベーションにも影響してくることが考えられます。
※日本年金機構
厚生年金保険料等の免除