キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、有期契約労働者、短時間労働者(パートタイマー)、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者を社内でキャリアアップさせる取り組みをした事業主に対して支給されます。
「キャリアアップ」したことの証明とは、正規雇用への転換という労働者としての身分の他、賃金を上昇させる必要があります。
キャリアアップ助成金の賃金アップのポイント
正規雇用労働者へ転換前と転換後の6箇月を比較して賃金が5%以上アップしている必要があります。
転換前と転換後の「月給や基本給」を単月で比較するのではなく【転換前6箇月の賃金総額】と【転換後6箇月の賃金総額】を比較します。
この時、「正規雇用転換後6箇月」内に一定の条件に該当する賞与が支給されていればその賞与も含んで、賃金がアップしたかどうかを判断します。
賃金5%以上アップに含むことができない賞与
○支給時期が明記されていない
→(「○月○日に支払う。」「○月に支給する。」など最低限支給月まで規定していること
○正規雇用等への転換後、6箇月以内に支給されていない
○賃金規程等で賞与支給が規定されていない、支給が原則無しになっている
○実態として賃金アップ、処遇改善にあたらない
→転換前は、在籍期間の関係上、賞与が減額されていた場合
キャリアアップ助成金でいう「賃金アップ」「賃金上昇」の要件とは、労働者の継続的な待遇改善を指します。
助成金の要件を満たすための帳尻合わせでは、助成金の受給要件を満たさないので注意が必要です。