「労働保険の年度更新」「社会保険の算定基礎届」の間違えやすいところ

「労働保険の年度更新」と「社会保険の算定基礎届」は、毎年7月10日を締め切りとして手続きを実施することになっています。

労働保険や社会保険の対象者の給与(報酬)金額を各行政機関に申告する点では共通する両社の手続きですが、混同しやすく間違えやすい部分があるので注意が必要です。

賃金と報酬

○賃金
労働保険を計算する場合は、<賃金>を元に保険料の計算を行います。

労働保険における賃金とは、「労働の対象として支払うものすべて」を言うとされており、税金その他、社会保険料などを控除する前の賃金の総額を指します。

※労働保険対象賃金の範囲

○報酬
算定基礎届を提出する時や社会保険の資格取得時等には<報酬>の金額を届け出て標準報酬月額が決まり、社会保険料額が決定します。

※社会保険における「報酬」とは
(算定基礎届の記入・提出ガイドブックP3参照)

例えば、労働保険の年度更新を行う時には、前年度に支払われた「賞与」も含めた金額を申告しますが社会保険の算定基礎届を行う時には「賞与」は含みません。

以上のように分けられており、賃金と報酬は若干異なっているので注意が必要です。

届け出る賃金・報酬の期間

労働保険の年度更新と社会保険の算定基礎届において、届け出を行う賃金・報酬は、次の通りです。

○労働保険の<賃金>
前年度の4月締め分~3月締め分

○社会保険の<報酬>
当年度の4月支給分~6月支給分

労働保険は「締切日基準」、社会保険は「支払日基準」である点には注意が必要です。

保険料の納付方法

○労働保険は原則一括(最大3分割)
労働保険料は原則、7月10日に一括で納付を行います。

ただし、納付する概算保険料が40万円(労災保険または、雇用保険のみ成立している場合は20万円)以上の場合には3分割での納付が可能です。

これを任意に分割したり、2分割にしたりはできません。

○社会保険料は毎月納付
社会保険の算定基礎届を実施して、社会保険料の変動が有る場合には、その年の9月(10月納付分)から、変動した保険料で納付します。

納付方法は、納付書での振り込み、または口座振替です。

「労働保険の年度更新」と「社会保険の算定基礎届」は、手続きをするタイミングこそ同じですが、内容はまったくことなるので混同しないように注意する必要があります。

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