• “採用・定着”マニュアル

医療、介護、福祉業界の離職防止と労務管理

2021/3/1

2023/11/25

この記事の監修

社会保険労務士法人GOAL
代表 社会保険労務士

久保田 慎平(くぼたしんぺい)

1983年8月横浜生まれ、横浜育ち。2011年4月に都内の社会保険労務士事務所へ入職、4年間の実務経験後、2015年4月独立開業。その後、2018年9月に行政書士法人GOALと合流し、社会保険労務士法人GOALを設立。東京・神奈川の中小企業を中心に採用定着支援やテレワーク導入支援、労務トラブル防止、社内研修による人材育成に力を入れている。就業規則の実績200件以上、商工会議所等のセミナー講師実績多数。

医療、介護、福祉業界と一括りにはできませんが、労務管理の面では共通した課題があると考えられます。

共通の課題、それはやはり「離職率の高さ」です。

業務の性質上どうしてもハードワークになりやすく、仕事と家庭(プライベート)の両立が難しいという背景があります。

また他の産業と比べて事業所の件数が多いため、転職先には困らないと考えて、離職に踏み切る心理が働くのかもしれません。

全体的に中途採用が多い理由もこのあたりにあるのでしょう。

給与アップは「万能薬」ではない

長く働きたくなる職場とは、どのような職場でしょうか。

おそらく「給与面での待遇が良い職場」を挙げる方が多いでしょう。

しかしながら職員を引き留めるために、いきなり何万円も給与額をアップさせるのは現実的ではありません。

仮にアップできたとしても「お金を重視している人はお金を理由に辞める」ことが多いです。

また一回、1人にそういうことをしてしまうと

「あの人は辞めると言ったら給与が上がったのに、どうして自分の給与は上がらないんだ」

と、別の不満が上がり、トラブルに発展する可能性もあります。

定着率が高い事業所が守っていること

一方で給与はそこそこでも離職率が高くない事業所もあります。

そういった事業所の特徴として、職員が「辞めたくなる理由」にしっかり向き合っているところが挙げられます。

例えば退職する職員がいたとして、

「あの人はイマイチ、うちの事業所とは合わなかったんだよね」

という風に話を聞いている事業所と

「あの人の退職理由は、事業所をより良くするための改善点として受け止めよう」

という事業所だったら、定着率を上げられるのは間違いなく後者でしょう。

中途採用の職員に対し、転職に踏み切ったきっかけを聞いてみるのもいいヒントになりそうです。

労働時間・休日も重要なポイント

「労働時間・休日」は、職員が給与以上に重視するポイントかもしれません。

2019年4月から「働き方改革関連法」が順次施行され、時間外労働の上限規制など、罰則の強化もなされています。

過労自殺の報道が大きく行われたこともあり、一般の人が時間外労働に向ける意識はかなり厳しくなっています。

それにも関わらず、残念なことに

「うちの業界は特殊だから…」

と、労働時間・休日のルールを守れていないところもまだあります。

実際は職場が特殊というより、事業主側の法律知識が乏しかったり、誤っていたりで不適切な労働環境になっている例も少なくありません。

特殊な職場だから仕方ない、とあきらめる前に、専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

*厚生労働省
・「働き方改革」の実現に向けて

就業規則や勤怠管理の導入・見直し・採用・定着支援

  • 就業規則作成・見直し
  • 勤怠管理システム導入・見直し
  • 従業員の採用・定着支援

事業のスタート、継続に必要な
就業規則・勤怠管理、従業員研修、
労働保険・社会保険の手続きなど
GOALがあなたの事業所をサポートします。
まずはお気軽にご相談ください。