- “手続き”マニュアル
職員を雇用したときの「労働保険」の手続き
2021/2/10
2023/11/25
職員を1名でも雇用している事業所であれば、「労働保険」の加入手続きを行う必要があります。
労働保険には「労災保険」と「雇用保険」の2種類があります。
どちらも職員にとって大切な給付を行う保険です。
新しい事業所を作ったときや、入職者がいる場合は忘れずに手続きを行いましょう。
Contents
┃労災保険とは?
労災保険とは、職員が仕事中あるいは通勤中の事故で、ケガなどをした場合に給付を行う制度です。
治療にかかる費用や、仕事を休んだため受けられなかった賃金の一部について、労災保険から給付が受けられます。
ごく短時間・短期間だけ勤務する職員であっても労災保険の対象となります。
┃雇用保険とは?
雇用保険は、労働者の生活や雇用の安定を図り、再就職の援助を行うことなどを目的にした保険です。
育児休業や介護休業を取得した職員に支払われる「育児休業給付金」、「介護休業給付金」も雇用保険に基づく給付です。
厚生労働省が行っている「キャリアアップ助成金」などの各種助成金を受けるためには、雇用保険に加入している必要があります。
┃原則、役員は労働保険の被保険者になれない
労働保険は会社に雇用される労働者のための保険です。
そのため代表取締役などの役員は、原則として労災保険や雇用保険に加入できません。
┃労働保険の加入義務がある事業所とは
労災保険と雇用保険とで要件が少し異なります。
①労災保険の要件:役員ではない職員を1人以上雇用していること
勤務時間がごく短時間の職員や、臨時に数日間のみ勤務する職員も労災保険の対象です。
②雇用保険の要件:雇用保険の被保険者になるべき職員を1人以上雇用していること
週の所定労働時間が20時間以上あり、雇用期間の見込みが31日以上であれば雇用保険の被保険者となります。
┃新しい事業所を作ったときの労働保険の手続き
労働保険の手続きは必ず「①労災保険→②雇用保険」の順番で行います。
①労災保険に加入する手続き
介護事業所を開設し、職員を雇用したら速やかに「保険関係成立届」と「概算保険料申告書」を管轄の労働基準監督署に届け出ます。
届出が受理されると労働保険番号が振り出されます。
②雇用保険に加入する手続き
雇用保険の加入基準を満たす職員がいる場合は、同時に雇用保険の手続きも行います。
「雇用保険 適用事業所設置届」と「雇用保険 被保険者資格取得届」を管轄のハローワークへ提出します。
受理されると雇用保険の適用事業所番号が記載された「雇用保険 適用事業所設置届事業主控」が発行されます。
職員に対しても、雇用保険番号が記載された被保険者証が発行されるので、必ず本人に渡しましょう。
┃労働保険料の納付
労働保険料は、1年度分の概算額を先にまとめ払いします。
「概算保険料申告書」の下部に納付書がついているので、概算額を記載し金融機関で支払います。
労働保険料のうち、労災保険料は全額事業主負担となりますので、職員の給与からは控除しません。
雇用保険料は資格取得日以降の給与から控除します。
*厚生労働省