求人で注目されるリファラル採用の導入と注意点

リファラル採用(社員紹介制度)を導入する企業が増えています。

採用コストを抑え、会社と社員のマッチングの精度も高めることが期待されています。

一方で導入と運用の方法を間違えると法令違反となる恐れがあるので注意が必要です。

┃リファラル採用(社員紹介制度)

リファラル採用とは、従業員に友人等を紹介してもらう採用方法のことをいいます。

会社のことを良く理解している従業員からの紹介のため、紹介された人も会社のことをある程度、理解した上で応募してくることになります。

リファラル採用を導入することにより、採用コストを抑えつつ、会社と従業員のマッチングの精度を高めることができるとして注目を集めています。

┃リファラル採用と紹介手当

リファラル採用を導入する会社の多くは、紹介をしてくれた従業員へのインセンティブとして「紹介手当制度(報奨金)」を設けています。

従業員を一人紹介すると「○万円」というものです。

しかし、このリファラル採用は、運用を間違えると職業安定法に違反する可能性が出てきます。

┃リファラル採用と職業安定法

職業安定法では「労働者の募集を行う者は、第三者に対してその募集に際して報酬を与えてはならない」としています。

ただし、この規定には例外があります。

○有料職業紹介事業の許可を受けた者
報酬を得て募集または、採用活動に従事する場合には、有料職業紹介事業の許可を受ける必要があります。

有料職業紹介事業の許可を受ける場合には、申請時にあらかじめ報酬金額を決定し、届け出る必要があります。

○賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合
会社がリファラル採用を導入し、「紹介手当」を導入する場合は、こちらのケースの例外規定に該当すると考えられます。

「賃金、給料その他これらに準ずるもの」と認められるためには、就業規則への規定が必要になります。

また、その金額については有料職業紹介事業よりも低い金額にする必要があると考えられます。

有料職業紹介事業の許可申請では、「年収の30%~40%」程度を報酬金額として設定することが多いです。

そのため、紹介手当の金額は、多くてもその金額以下に抑えるべきでしょう。

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(報酬の供与の禁止)
第四十条 労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。
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*職業安定法

┃紹介手当(リファラル手当)と社会保険

以上の通り、「賃金、給料その他これらに準ずるもの」として支払う以上は、社会保険料(健康保険・厚生年金保険)や労働保険料(労災保険・雇用保険)の対象になると考えます。

リファラル採用については、執筆時時点で正式な通達等は確認できていません。

そのため、リファラル採用や紹介手当の導入に際しては、管轄の労働基準監督署やハローワークへ確認されることをお勧めします。

繰り返しになりますが単純にリファラル採用、報奨金制度を導入すると職業安定法違反になる可能性があるということは、注意してください。