年次有給休暇の買取を求められたときの対応

「年次有給休暇の買取をしてほしい」と従業員から言われたことがある事業主は、少なくないと思います。

有給休暇の買取は、可能なのでしょうか。

目次

┃有給休暇

(年次有給休暇、有給休暇、有休休暇など一般的にはすべて同じ意味です)

有給休暇は、労働基準法第39条により認められた従業員の権利です。

従業員には取得できる権利が、事業主には取得させる義務があると考えることができます。

┃有給休暇の買取は可能か

結論から言うと「原則はできない」ということになります。

働き方改革関連法の施行により「年次有給休暇の時季指定義務」ができたことからもわかる通り、有給休暇は取得させることが大前提です。

【NGなケース】
あらかじめ「有給休暇を取得しなかった場合には手当を支給する」などと伝え、暗に有給休暇の取得を抑制しようとした場合。

【OKなケース】
退職間近になって、取得しきれない(未消化で消滅してしまう)有給休暇を退職手当に上乗せして支払う場合。

┃有給休暇の買取の実務対応

上記の【OKなケース】にある通り、未消化で消滅してしまう有給休暇を金銭で補償してあげる分には、問題にはなりません。

例えば、退職日が決まっている従業員に対して引き継ぎのために出社してもらったが有給休暇が余ってしまったという場合には、手当てで補償をしてあげることも考えられます。

そうすれば、気持ちよく引き継ぎをしてくれるのではないでしょうか。

なお、有給休暇の買取をする場合の単価はいくらでもかまいませんが一日当たりの給与の7割から10割で設定するケースが多いように感じます。

また、有給休暇の買取は、特例的な措置ですので就業規則に規定するべきではないと考えます。

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