シフト制の従業員が年次有給休暇を取得した場合の賃金

従業員が年次有給休暇を取得したとき、1日の労働時間が固定されている場合であれば特に問題になることはありません。

しかし、シフト制のパートタイマーやアルバイト、変形労働時間制の対象者等、1日の労働時間が変動する場合、いくら支払えばよいのかが問題になるケースがあります。

今回は、年次有給休暇を取得した場合の賃金について、労働基準法で定められているのは、3つのパターンをお伝えします。

目次

┃年次有給休暇を取得した場合の賃金の支払い方法

年次有給休暇を取得した場合の賃金の支払い方法は、次の3パターンです。

  • (1)平均賃金、
  • (2)所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金、
  • (3)健保法の標準報酬月額の30分の1相当額

このうち、原則は(1)または(2)、例外として(3)が認められています。

┃平均賃金を支払う

平均賃金を支払うケースでは、労働基準法に定められた平均賃金の算出方法に基づいて計算を実施します。

1日の労働時間が変動する場合には、この方法が一番、不公平さがなくなります。

その一方で、年次有給休暇を取得した日を基準に平均賃金を算出する必要があるため、その都度、賃金を計算する負担が生じます。

┃通常の賃金を支払う

通常の賃金を支払うケースでは、その日に労働すれば支払われるはずだった通常の賃金を支払うことになります。

1日の労働時間が変動する場合には、所定労働時間が長い日に年次有給休暇の取得が集中することも予想されます。

┃標準報酬日額を支払う

標準報酬日額を支払うケースでは、労働組合との労働協約、または、労働者の過半数代表者との労使協定の策定が必要です。

この場合、賃金を健康保険の標準報酬月額表に当てはめて、その金額の30分の1を年次有給休暇取得時の賃金として支払います。

標準報酬日額を用いるのは例外的なケースで、この方法を採用している事業所は多くありません。

今回は、年次有給休暇を取得した場合の賃金について、労働基準法で定められている3つのパターンをお伝えしました。

どのパターンを採用するべきか、どのパターンが合っているかについては、各社それぞれ検討する必要があります。

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