忘年会・歓送迎会等(会社行事)への参加は労働時間にあたるか

忘年会や歓送迎会の季節になると会社行事としての飲み会や懇親会が増えます。

こうした時に問題となるのが「飲み会等の会社行事は労働時間になるか」ということです。

最近では、新入社員から「飲み会に参加したら残業代でますか?」といった質問が出ることもあるようなので、事業主側としては基本的な考え方は応えられるようにしておく必要があると考えます。

労働時間

労働時間とは「原則として使用者の指揮命令下に置かれたもの」とされており、これは労働時間について判断をした<三菱重工業長崎造船所事件>の中で述べられています。

労働時間に当たると判断された場合には、当然のことながら賃金(残業代等)の支払いが必要になるので注意が必要です。

「使用者の指揮命令下に置かれている」とは

「使用者の指揮命令下に置かれている」とは、ケースバイケースでの判断が必要になる部分もありますが、

□事業主に場所や時間を指定して、その場にいることを要求されている
□その要求に応えないことによる不利益がある

これらに当てはまるかどうかが判断基準になると考えられます。

①事業主に場所や時間を指定して、その場にいることを要求されている
飲み会等が強制参加なのであれば労働時間にあたると考えることができます。

「基本的にはみんな参加しているから」等、実質的に参加を強制するような言動があると事業主からの要求があったとみなされる可能性があります。

②その要求に応えないことによる不利益がある
飲み会等ではあまりないかもしてませんが、遅刻・早退・不参加について賃金控除等のペナルティが有る場合には、労働時間とみなされる可能性が上がります。

飲み会等が労働時間に当たるか

飲み会等が労働時間に当たるかについては、次のようなことが判断基準になると考えられます。

□飲み会等への参加が強制されている(実質的なものも含む)
□飲食代金が会社の福利厚生費から支払われている
□参加しないことへのペナルティがある

ケースバイケースの判断になる部分もありますが当てはまる数が増える程、労働時間に当たると判断される可能性が高まります。

会社行事としての飲み会等と同様に取引先との接待等についても同様に判断することになると考えられます。

事例紹介

労働時間を判断する時の参考事例としては、次のようなものがあります。

○三菱重工業長崎造船所事件
労働者の作業服及び保護具等の装着・準備体操場までの移動等が労働時間に当たると判断された事例。

○行橋労働基準監督署長事件
中国人研修生との親睦を深めることを目的として、有志によって開催された私的な歓送迎会が歓送迎会に参加してほしい旨の強い意向を示されたことで業務と認定された事例。

○大星ビル管理事件
24時間勤務における仮眠時間が外出を禁じられ、仮眠室における在室、電話の接受、警報に対応した必要な措置が義務付けられていること等から労働時間に当たると判断された事例。

労働時間に当たるかどうかの判断は、一律に行われるものではなく個別に判断することが重要です。

また、労働時間に当たると判断されれば賃金の支払いが必要になるので慎重な判断が必要になります。