従業員からの申し出による遅刻早退欠勤

従業員から「〇日は欠勤したい」「今日は早退する」等と申し出を受けることがあります。

事業主と労働者の権利と義務を正しく理解して、適切な対応をとることが大切です。

┃遅刻早退欠勤をする権利

遅刻早退欠勤について、労働者から申し出があったとしても会社はその申し出を認める義務はありません。

労働者には、「遅刻早退欠勤をする権利は無い」と考えることができます。

┃事業主と労働者の権利と義務

事業主と労働者の権利と義務を整理すると以下のようになります。

〇事業主の権利と義務

  • ・労働契約に基づいて労働者に労務を提供してもらう権利
  • ・労働者の労務提供に対して賃金を支払う義務

〇労働者の権利と義務

  • ・労働契約に基づいて労務を提供する義務
  • ・労務の提供に対して賃金を受領する権利

このように権利と義務は、一対になっており、労働契約書や労働条件通知書にもそのように明記されています。

┃遅刻早退欠勤は労働契約違反になり得る

簡単に言うと事業主(会社)からすれば「労働者に働いてもらう代わりに給与を支払う」という約束(契約)をしています。

労働者からすれば「働く代わりに給与をもらう」という約束(契約)をしています。

例えば欠勤のケースで言えば「給与はいらないので休む(欠勤)」ということになりますが労働者の判断で勝手に休む(欠勤)のは、労働契約違反と言えます。

┃労働の義務を免除する年次有給休暇

年次有給休暇は、一定期間継続勤務した労働者に対して事業主が休暇を与えるものです。

事業主としては休暇を与える義務、労働者としては休暇を取得する権利が発生することになります。

この他、出産や育児、介護、生理休暇等、法令上認める必要がある休暇もありますが、そのような事情がない限り、事業主は遅刻早退欠勤を認める必要はありません。

┃就業規則の規定を確認する

遅刻早退欠勤について、「届け出制」としているか「許可制」としているかどうかは就業規則の定めによります。

届け出制であれば労働者からの一方的な届け出だけで事業主は、その申し出を認めることになります。

許可制であれば労働者からの申請、事業主の承認というプロセスを踏むことが通常であり、事業主の承認が得られなければ無断欠勤として扱うケースもあります。

事業主としての権利を主張するためには、「許可制」として運用するべきでしょう。

┃遅刻早退欠勤に対する現実的な対応

遅刻早退欠勤を認める必要はない、とは言っても入社間もなく年次有給休暇が発生していない従業員がやむを得ず遅刻早退欠勤をすることもあるでしょう。

そのときは、事情を聴いた上で
・本来は遅刻早退欠勤は認められないこと
・遅刻早退欠勤をせずに業務あたることが原則であること
等をしっかりと伝えやむを得ない事情があると判断した場合には、特例的に認めるのが現実的です。

他の従業員との不公平感をなくすためには、ノーワークノーペイの原則により控除を行うことも重要です。

頻発する場合には、勤怠不良として懲戒処分の対象とする場合もあります。