退職代行で失敗するケースとは?実際の事例から回避方法を伝授!

基本的に退職代行サービスを利用すると、退職自体はできるでしょう。しかし、退職時に思わぬトラブルやストレスの原因となることがあります。
「退職代行を使って失敗した」「退職代行を使わなければよかった」と思う方も一定数いるのが事実です。
退職代行は突発的に利用されがちですが、事前の準備がリスク回避につながります
退職代行は、心身の限界を迎えて突発的に利用されることが多いサービスです。しかし、あらかじめ「どんな失敗が起こり得るのか」を把握しておくことで、トラブルを防ぐことができます。
事前にしっかりと情報を集め、冷静に準備しておくことが大切です。
退職代行で実際に失敗してしまった例や回避する方法について詳しく見ていきましょう。
実際にあった退職代行の失敗事例5選
会社の人間関係や待遇に悩み、退職代行の利用を考える方は少なくありません。しかし実際に退職代行を使ってみると「業者と連絡が取れない」「有給消化の交渉に失敗した」といったトラブルに直面するケースもあります。
ここでは、退職代行をめぐる実際の失敗事例を5つご紹介します。
- 振込後に業者と連絡がつかなくなった
- 退職代行を使ったのに会社と連絡を取ることに
- 残業代・有給消化の交渉が出来なかった
- 退職代行を利用後に会社とトラブルになった
- 即日退職と書いてあったが実際はできなかった
事前に失敗例を知っておくことで、退職代行業者を選ぶ際や利用する際の注意点が見えてくるはずです。
なお、退職代行で失敗するケースは全体としては多くありません。ここで紹介するのはあくまで一部の例として参考にしてください。
振込後に業者と連絡がつかなくなった
退職代行の失敗例としてよくあるのが、振込後に「業者と連絡が取れなくなる」ケースです。
退職代行は多くの場合で、契約金の振込が完了してから対応が始まります。そのため、支払い後にトラブルが発生するリスクがあります。
悪質な業者に当たってしまうと、料金を振り込んだ直後に連絡が途絶え、結局退職手続きも何も行われないまま終わってしまうこともあります。もちろん返金もされません。
こうした被害は、聞き慣れない名前の小規模な業者や実績の乏しいサービスに多い傾向があります。一方で、大手の退職代行会社では評判を重視するため、このような詐欺まがいの対応は基本的にないと考えていいでしょう。
安心して依頼するためにも、事前に会社の評判や運営実態をよく調べることが大切です。
退職代行を使ったのに会社と連絡を取ることに
退職代行の大きなメリットは、会社と一切やり取りせずに退職できることです。しかし中には、雇用保険被保険者証などの書類が届かず、自分で会社に連絡を取る羽目になったというケースもあります。
本来であれば、退職代行会社が必要書類の受け取りまでサポートしてくれるのが一般的です。ただし、会社側が強く抵抗する場合、代行業者がうまく対応できずに最終的に本人が動かなければならなくなることもあります。
信頼できる退職代行会社であれば、担当者が会社とのやり取りを丁寧に進めてくれます。たとえ対応が難しい相手でもうまく話をしてくれるでしょう。
一方で、経験の浅い担当者や対応が不十分な業者では、依頼者が巻き込まれてしまう可能性も否定できません。
事前に無料相談での対応をチェックし、丁寧に話を聞いてくれるかどうかを確認しておくと、こうしたトラブルを避けやすくなります。
残業代・有給消化の交渉が出来なかった
退職代行を利用する大きな目的の一つが「有給休暇の消化」です。
しかし、利用する業者によっては、残業代や有給の交渉を代行してもらえないことがあります。弁護士資格を持たない一般の退職代行業者が、報酬を得て交渉を行うことは「非弁行為」として法律で禁止されているためです。
交渉を必要とする場合は、「弁護士が運営する退職代行」または「労働組合が運営する退職代行」を選ぶ必要があります。
一般的には、企業が有給休暇の消化や未払い残業代の支払いに応じてくれるケースが多い傾向にあります。
しかし、退職を切り出した際に会社側が感情的になったり、スムーズにコミュニケーションが取れなかったりすると、交渉がうまくいかないこともあります。
特に、残業代の未払いが多い場合や、有給日数がたくさん残っている場合は、交渉力が求められます。交渉可能な退職代行サービスを選ぶようにしましょう。
退職代行を利用後に会社とトラブルになった
退職代行の利用自体に問題はありませんが、自分しか把握していない業務を抱えている場合、会社側は「引継ぎをしてから辞めてほしい」と考えるのが一般的です。
実際に、業務に支障が出たことを理由に、会社から損害賠償を請求されたケースもあります。
もちろん、損害賠償を求められるのは極めてまれですが、自分の業務の内容や影響範囲を今一度見直しておくことは大切です。
こうしたトラブルを防ぐには、事前に引継ぎ資料を用意しておいたり、信頼できる同僚などに「分からない点があれば対応可能です」と伝えておくと、会社側の不安を軽減できます。
退職代行をスムーズに進めるためにも、業務上の責任に対して一定の配慮を見せる姿勢が重要です。
即日退職と書いてあったが実際はできなかった
「即日退職」とうたっている退職代行サービスを利用したものの、実際にはその日に退職できなかったというケースがあります。
退職の意思を伝えただけでは、正式な退職とはなりません。
退職届の提出や、可能な範囲での引継ぎも必要です。特に、雇用期間に期限のない一般的な労働契約では、退職の意思表示から2週間が経過すれば法律上は退職できます。
ただし、代行業者の中には「会社に退職の意思を伝えたから、もう退職は完了した」と説明するところもあります。しかし実際には、会社側とのやりとりや最終的な手続きについて、自分で対応しなければならない場合もあります。
「即日退職可能」と書かれていても、本当にその日に退職できるのか、どこまで対応してくれるのかを事前によく確認しておきましょう。
リアルな声!退職代行サービスを使った利用者が後悔したこと
「退職代行を使って本当に大丈夫かな」「お金もかかるし、社会人としてどうなんだろう」と不安になる方も多いと思います。また、最近では退職代行の利用に対して否定的な意見もあり、ためらってしまう人も少なくありません。
他にも「お世話になった人にきちんとお別れの挨拶ができなかった」と後悔する声も聞かれます。
ここでは、GOAL編集部が実際に調査した「退職代行を使って後悔したこと」について、利用者のリアルな声をもとにご紹介します。利用を検討する際の参考にしてみてください。
料金が想定よりもかかって後悔した
「退職にかかる費用はこれだけ!」と、ホームページに20,000円と大きく掲載している退職代行業者を見かけることがあります。退職にかかる出費はなるべく抑えたいところですが、注意が必要です。
一般的な退職代行業者では、有給休暇の消化交渉や未払い残業代の請求といった法的な対応は行えません。そうした対応を希望すると「別途相談料が必要です」として追加料金が発生することがあります。
「安いと思って依頼したのに、結果的に他社より割高になってしまった」というケースも少なくありません。
そのため、基本料金のほかにどのような相談で追加費用がかかるのかを事前によく確認しておきましょう。
お世話になった人に別れの挨拶が出来なかった
自分で退職の意思を伝えて辞める場合は、引継ぎなどで2週間ほど出社するのが一般的です。その期間に、仲の良かった同僚と別れを惜しんだり、お世話になった人に感謝の気持ちを伝えることができます。
一方で、退職代行を利用すると会社に出社せずに退職できる反面、お世話になった人に直接お別れの挨拶ができないというデメリットがあります。
職場での人間関係によって感じ方が変わりますが、もし感謝の気持ちをきちんと伝えたい相手がいる場合は、個別に連絡を取るか、連絡先が分からない場合は退職前にメッセージなどで気持ちを伝えておくとよいでしょう。
業者の態度が悪く後味が良くなかった
退職代行会社の担当者から「辛抱が足りない」など、心ない言葉をかけられたという声も聞かれます。
退職を考えるほど追い詰められている状況では、気持ちも落ち込みやすく、精神的に不安定になっていることが多いでしょう。そんなときに、業者から冷たい対応や暴言を受けてしまうと、さらに気分が落ち込み「こんなことなら頼まなければよかった」と後悔してしまうかもしれません。
円満に、そして気持ちよく退職するためには、相談時の丁寧な対応が大切です。利用者に寄り添ってくれる退職代行会社を選びましょう。
失敗しない退職代行サービスの選び方
退職代行サービスには、一般企業が運営するものや弁護士が対応するものなど、さまざまな種類があります。インターネットで検索すると、まず目に入るのは料金の違いです。そのため、つい金額の安さだけで選んでしまいがちです。
しかし、料金に差があるということは、サービス内容にも違いがあるということです。「とにかく退職したい」という気持ちだけで安易に業者を選んでしまうと、後で後悔することにもなりかねません。
ここでは、退職代行サービスで失敗しないために、選ぶ際のポイントを分かりやすくご紹介します。
求めるサービス内容にあった料金から選ぶ
退職代行サービスは、基本料金のほかに追加料金が発生する場合があります。自分にとってどのようなサポートが必要なのかをよく考えて、業者を選びましょう。
「自分では言い出せないから、代わりに退職の意思を伝えてほしい」といったシンプルな目的であれば、比較的安い退職代行業者で十分対応できます。
ただし、料金が安い業者の中には、信頼性に疑問があるケースもあります。詐欺まがいの業者を避けるためにも、ホームページの情報や利用者の口コミをしっかりチェックしておきましょう。
一方で、有給休暇の消化や未払い残業代の請求など、法的な交渉も必要とする場合は、弁護士が対応する退職代行サービスを選ぶようにしましょう。
会社への交渉が可能な業者から選ぶ
一般的な退職代行業者は、退職の意思を会社に「伝えるだけ」であり、交渉まではできません。
しかし、「労働組合が運営する退職代行サービス」であれば、有給休暇の取得や退職日の調整など、会社との交渉もできます。
さらに、未払い残業代の請求や損害賠償請求への対応など、より高度な法的交渉を求める場合は、弁護士が対応する退職代行サービスを選ばなければなりません。
退職時に何を交渉したいのかを明確にした上で「労働組合運営」または「弁護士対応」のサービスを選ぶようにしましょう。
無料相談でスタッフの対応をしっかり確認しよう
退職代行業者の中には、無料相談を設けているところが多くあります。基本的に、相談だけであれば料金はかかりません。まずは気軽に相談してみるとよいでしょう。
依頼時には、要望を伝えたり、メールでやり取りを重ねたりすることになります。
そのため、スタッフの対応はとても大切です。できれば複数の業者を比較して、少しでも横柄な態度のスタッフがいるような業者は避けるべきです。
あなたの話にきちんと耳を傾け、丁寧に対応してくれるかどうかを見極めましょう。
特に、退職代行を利用せざるを得ない状況にある方にとっては不安なことが多いでしょう。「寄り添う姿勢」や「サービスの理念」に共感できるかどうかも、選ぶ上での大切なポイントです。
即日対応が可能な業者から選ぶ
「今すぐにでも辞めたい」と思って退職代行を依頼したのに、「ご連絡は1週間後になります」と言われたら、その業者にはもう頼みたくなくなりますよね。
原則として、当日中に返信してくれる業者を選ぶようにしましょう。即日対応をうたっているかや問い合わせへのレスポンスが早いかを事前に確認しておきましょう。
ただし、繁忙期や依頼が集中するタイミングでは、対応が遅れることもあります。その点も踏まえ、余裕をもって相談しましょう。
退職代行失敗のリスクを回避する方法
退職代行を利用するうえで、できるだけリスクを避けたいと考えるのは当然のことです。
退職代行で起こりがちなトラブルやリスクを防ぐために、具体的にどのようなリスク回避策があるのかをステップ形式でご紹介します。安心して利用するためにも、ぜひ参考にしてください。
退職代行サービスとひと口に言っても、弁護士・労働組合・一般企業など運営主体によって対応できる範囲が異なります。
「退職の意思を伝えてくれればそれで十分」なのか、「有給休暇の消化や未払い残業代の交渉もお願いしたい」のかなど、自分が退職代行に何を求めているのかを、事前に明確にしておきましょう。
求めるサービスを整理しておくことで、ミスマッチを防ぎ、納得のいく退職代行サービスの利用につながります。
退職代行の利用には、一般的に2万円〜7万円程度の費用がかかります。
金額に大きな差があるのは、運営元によって対応できるサービス内容が異なるためです。
たとえば、一般企業が運営する退職代行は比較的安価で、費用は2万円からです。一方で、会社との交渉が可能な弁護士事務所に依頼すると、7万円以上かかることもあります。
- 弁護士事務所:50,000〜70,000円
- 労働組合:25,000〜30,000円
- 一般企業:20,000〜50,000円
「労働組合」や「弁護士事務所」が運営している退職代行サービスは、退職手続きだけでなく、有給休暇や残業代の交渉にも対応してくれます。
依頼前には、基本料金だけでなく追加費用の有無や対応範囲もしっかり確認しておきましょう。
運営会社のホームページや利用者の口コミを必ずチェックしましょう。
実際にサービスを利用した人の声は、判断材料として非常に参考になります。
特に、申し込んだあとも最後までしっかりサポートしてくれるかどうかを知るうえで、口コミは重要です。
また、悪い口コミやトラブルの報告がないかも忘れずに確認しましょう。事前に情報をしっかり集めることで、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
退職代行を使わずに退職するのがおすすめな人
退職代行が話題になっているからといって、誰もが使うべきというわけではありません。
「仕事は続けたいけれど、家庭の事情でやむを得ず退職する」「子育てや介護で働き方を見直したい」など、正当な理由がある場合は、自分の言葉で退職の意思を伝えてもまったく問題ありません。むしろ、堂々と伝えるべきです。
ここでは、退職代行を使わずに自分で退職手続きをするのがおすすめな人の特徴をご紹介します。
退職にお金をかけるのは勿体ないと感じている人
人間関係や待遇に不満があり、退職を決意したという方も多いでしょう。本来であれば、退職後の就職活動に備えて、少しでもお金を手元に残しておきたいところです。
しかし、退職代行の利用には少なくとも2万円以上の費用がかかります。2万円あれば、自己投資に使ったり、就活用のスーツを新調したりすることもできます。
「退職にお金をかけたくない」「できるだけ節約したい」と感じる方は、退職代行を使わずに自分で手続きを進めたほうが納得のいく選択になるでしょう。
退職後も職場の人と関わる機会がある人
たとえ待遇に不満があって退職を決めたとしても、職場の人間関係が良かった場合は、退職代行を使わずに自分で退職の意思を伝えるほうが良いでしょう。
退職後も気持ちよく連絡を取り合ったり、ランチに行ったりできる関係を続けることができます。無理に代行を使って関係を断ってしまうより、自分の言葉で丁寧に伝えることで、円満な退職につながります。
また、業界によっては人のつながりが狭いので注意が必要です。将来的に同じ職場で再会する可能性もあります。だからこそ、今の人間関係を大切にし、できるだけ良好な関係を保っておくことが大切です。
上司の面倒見がよくなんでも相談できる関係性の人
仕事での失敗をフォローしてもらったり、家庭の悩みを聞いてもらったりと、上司に支えられたと感じている人は、退職代行を使わずに自分で退職の意思を伝えるほうがよいでしょう。
これまでお世話になったことを思うと、代行で済ませるのは失礼かもしれない」と後ろめたさを感じる方もいるかもしれません。そう感じるのであれば、まずはその上司に直接相談してみるのがおすすめです。
感謝の気持ちを自分の言葉で伝えることで、円満な退職につながります。
退職代行の失敗についてよくある質問
退職代行を利用する際には、失敗するケースもあることがわかってきました。その一方で、失敗を回避するためのポイントも見えてきたと思います。
それでも「万が一うまくいかなかった場合は返金されるの?」「どこまで対応してくれるの?」など、気になることはまだあるかもしれません。
ここでは、そんな退職代行に関する「よくある質問」をまとめました。後悔しないためにも、不安や疑問はあらかじめ解消しておきましょう。
- 退職代行を使って失敗した場合、返金される?
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退職代行の利用には、少なくとも2万円以上の費用がかかります。しかし、たとえ退職に失敗した場合でも「退職の意思は伝えたので、業務は遂行した」として、返金されないケースがあります。
そのため、退職代行を利用する際には「退職できなかった場合に返金されるかどうか」を必ず事前に確認しておきましょう。
万が一の事態に備えて、返金保証のある業者を選ぶことをおすすめします。
- 退職代行はやめとけと言われるのはどうしてですか?
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退職代行はやめとけと言われるのは次の理由が挙げられます。
- 最低でも2万円以上の料金が必要
- 会社から連絡がくることがある
- 残業代未払い、有給消化の交渉が出来ない
- 悪質な詐欺業者もある
- 勤めていた会社に挨拶もせず辞めると罪悪感が残る
ひとつでも「嫌だな」と感じる点があった方は、無理に退職代行を利用せずに自分で退職手続きを行う方法を選んだほうがよいかもしれません。