人材紹介会社の「お祝い金」が原則禁止になります
人材紹介会社(有料職業紹介事業者)の紹介によって転職・就職が決まったときに求職者に支払われることのある「お祝い金」が今度、原則禁止になります。
┃人材紹介会社(有料職業紹介事業者)のお祝い金
人材紹介会社から支払われる「お祝い金」とは、「転職お祝い金」「転職成功お祝い金」「転職支度金」「転職支援金」等、呼び方は様々です。
内容としては、人材紹介会社や転職エージェントを通して転職をすると求職者に現金やギフト券などの金品が支払われるというものです。
なぜこのような「お祝い金」制度があるかというと
①求職者が人材紹介会社や転職エージェントに登録
②人材紹介会社や転職エージェントが求人している会社に求職者を紹介
③転職成功!
④求人していた会社から人材紹介会社等へ紹介料を支払う
という流れで人材紹介会社や転職エージェントは、求人していた会社から紹介料として報酬を受け取ることことで利益を出すので、その一部を求職者へ還元しているのです。
┃人材紹介会社(有料職業紹介事業者)のお祝い金の問題点
求職者からしてみれば転職するだけで数千円から数万円を受け取ることができ、就職すれば当然、就職した会社からも給与を受け取ります。
このような金品の受け渡しがあるとお祝い金目当ての安易な就職と離職を繰り返す求職者が出てきてしまう、ということが問題になっていました。
┃人材紹介会社(有料職業紹介事業者)を活用するときの注意点
人材紹介会社や転職エージェントは、求職者の転職を成功させることで求人していた会社から報酬を受け取ります。
というとは、同じ人が就職転職を繰り返してくれた方が利益が出ます。
そういう仕組み的な問題から、就職して数箇月たつとその「元求職者」により良い条件で転職を促すような人材紹介会社もあるといいます。
会社側としては、紹介料も支払い数箇月たってやっと慣れてきたところで退職されてしまっては、せっかく支払った紹介料が無駄になるだけです。
┃職業紹介事業に関する指針の改正
2021年4月1日に改正される指針(ガイドライン)では、次の文言が追記されます。
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指針において、職業紹介事業者が求職者に金銭等を提供することにより求職の申込みを勧奨することは好ましくないとしているところ、職業紹介事業者が「お祝い金」その他これに類する名目で求職者に社会通念上相当と認められる程度を超えて金銭等を提供することにより求職の申込みの勧奨を行ってはならないこととする。
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「社会通念上相当」という金額がどの程度かは明らかにされていませんが、ここまでにお伝えした経緯から考えると利用する会社側としては、お祝い金がない事業者を選んだ方が良いかもしれません。
┃これからの採用活動のしかた
人材不足が加速していく中で今後ますます、採用は難しくなっていきます。
人材紹介会社や転職エージェント、求人サイトに頼っているばかりでは求める人材は確保できません。
3年後、5年後を見据えた採用活動をしていくことが重要です。
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*厚生労働省
第160回労働政策審議会職業安定分科会資料