会社のための未払い残業代リスク【簡易】診断
未払い残業代の時効が延長されたことをご存知でしょうか。
この法改正により、未払い残業代を遡って請求できる期間が2年から5年(当分の間は3年)になり、未払い残業代を請求する訴訟などが増加することが予想されます。
┃労働者側弁護士による訴訟が増える
インターネットで「未払い残業代」「未払い賃金」と検索してみてください。
検索結果の1ページ目は、未払い残業代請求を行う労働者側の弁護士のホームページが多く並ぶのではないでしょうか。
その中には、残業代シミュレーションや残業代チェッカー等で未払い残業代がいくらあるのかを簡単に知ることができるホームページもあります。
それらは、労働者向けのホームページであり、会社に未払い残業代を請求するための情報が並んでいます。
なにも対策をしなければ、これからも未払い残業代は増え続け労務リスクが増大していきます。
┃未払い残業代の請求時効の延長
未払い残業代の時効は、2020年4月に改正民法が施行されたことに伴い、労働基準法も民法の基準に合わせるために時効が5年(当分の間は3年)に延長されました。
単純計算でも未払い残業代として請求できる金額が1.5倍から2.5倍に増えるということができます。
┃未払い残業代の労務リスク
未払い残業代の労務リスクについて、具体例に沿って考えてみたいと思います。
【正社員Aさん】
- 勤続年数:3年
- 月額賃金:25万円
- 月間平均所定労働時間:168時間(一般的な週休2日制の場合)
- 月間平均残業時間:20時間(残業代の支払いは一切していないと仮定)
25万円÷168時間×1.25=約1860円・・・Aさんの割増単価
1860円×20時間=37200円・・・・・・・1箇月あたりの未払い残業代
2年遡り・・・37200円×24箇月=892,000円
3年遡り・・・37200円×36箇月=1,339,200円
5年遡り・・・37200円×60箇月=2,232,000円
未払い残業代を3年間遡って請求できるようになると単純計算でも以上のように100万円を超えてきます。
月額賃金25万円も月間平均残業時間20時間も決して多い数字ではないことを考えると金額はさらに大きくなることが想定されます。
しかも、一人が「会社に未払い残業代を100万円請求できた」ということになれば、その影響は他の社員にも広がる可能性があります。
┃未払い残業代の現状把握と対策
未払い残業代の現状把握とその後の対策として、まずは、自社にどれほどのリスクがあるのかを認識する必要があります。
未払い残業代の現状把握のためにご提供するのが会社のための未払い残業代リスク【簡易】診断です。
簡単な16個の質問に答えると貴社にどれくらいの未払い残業代リスクがあるかを診断することができます。
まずは、現状を把握した上でその後の対策を考えていきます。
┃まとめ
過去の未払い残業代を帳消しにすることはできません。
しかし、適切な対応をすればこれから先の未払い残業代を発生させないようにすることはできます。
さらに、これまでの未払い残業代については労働者側とも話し合いのもとに清算することがベストですし、そうすれば労使間の信頼関係の構築(再構築)もできるでしょう。
会社のための未払い残業代リスク【簡易】診断をご希望の際には、ぜひ一度、ご相談ください。